Vol.239 プラネタリウムでチェンバロを聴く 〜 タイムドーム明石

Vol.239 プラネタリウムでチェンバロを

築地にタイムドーム明石(郷土天文館)というプラネタリウムがあります。
中央区の施設でプラネタリウムのほか、郷土資料館や区民ギャラリーも兼ね備え昨年オープンしたばかりです。プラネタリウムに投影された星空の下でチェンバロを聴くという興味深い演奏会が開催され、知人からのご招待もあり撮影も兼ねて訪れました。
このプラネタリウムは最新のデジタル技術によって、過去の星空や太古の地球など未知の世界までを表現できるそうです。そのドーム径は12mと大きく開放感があり星空だけでなく半球面を利用しさまざまな上映も可能です。今日は大きなドームの下に、黒塗りに金箔で日本文様が施されたフレンチスタイルのチェンバロが置かれていました。このような貴重な楽器を間近に見るのも初めてですが、その音が響く構造〜歴史の説明も詳しくあり、とても親しみやすい会であったような気がします。
はじめは星空が投影された下で、チェンバロ奏者渡邊温子さんによる演奏…
J.S.バッハ(1685-1750 ドイツ)
プレリュード(平均律第1巻第1番)、メヌエット(アンナ・マグダレーナの音楽帳より)、ミュゼット(同上)
・J.スパニリェス(1644-1712 スペイン)
めでたし、海の星
・F.クープラン(1668-1733 フランス)
さまよう亡霊、夜明け
・W.A.モーツァルト(1756-1791 オーストリア)
鍵盤楽器のための作品 K.1a,1b,1c,11d、鍵盤楽器のための作品 K.33B、トルコ行進曲
その後チェンバロ製作家の安達正浩氏より、チェンバロの制作についてや歴史的な解説をしていただきました。普段触れる機会があまりない楽器について、丁重に解説があり終了後もみなさんからのいろいろな質問に答えてくれました。引き続きチェンバロ演奏の後は、大きなドームに星のプログラム「星の王子さま」が上映されました。そこに広がる物語は何か懐かしい感覚がしたのは不思議です。大きな半円形のドームをフルに活用しデジタルによる現代の技術が生かされている場所は、今後もいろいろな企画が展開できそうです。それに公共の施設だけに利用料もリーズナブルで子供向けの企画も多くあるとのことです。

この施設は、聖路加タワーの真下にありとてもわかりやすい場所です。築地駅からプラネタリウムに向かう道を行くと、目の前に聖路加タワー(地上51階)が姿を現します。銀座からも近く天文や星空、宇宙好きな人にはちょっとした穴場的な施設かもしれませんね。また、築地というと日本一の魚河岸という第一印象がありますが、周辺地域同様に東京のインナーハーバーとしての開発が進んでいます。聖路加ガーデンをはじめ、シニア向けの住居や施設や隅田川沿いには親水公園も整い、東京のウォーターフロントとしても整備されつつあります。銀座からでもちょっとした川沿いの散歩コースに立ち寄ってみてはいかがでしょうか?

テキスト
テキスト


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♪星空とチェンバロによる ◆煌めきのアンサンブル◆
チェンバロ 渡邊温子さん、チェンバロ製作家 安達 正浩さんによる解説
プラネタリウム・オリジナル・プログラム サン=テグジュペリ星の王子さま
 原作のイメージをプラネタリウム専用にアレンジした臨場感溢れる作品の上映
・タイムドーム明石(郷土天文館) 中央区明石町12-1
・地下鉄有楽町線新富町 日比谷線築地駅 聖路加病院向い
タイムドーム明石(郷土天文館) 中央区ホームページ
プラネタリウムホールの貸し出しやプラネタリウムの貸切投影も可能です。
チェンバロ弾きのひとりごと(渡邊温子)
クラヴサン工房アダチ
聖路加ガーデン