Vol.227 三茶de大道芸 〜 世田谷アートタウン

三茶de大道芸 〜 世田谷アートタウン

世田谷に三軒茶屋という場所があります。
ここは私が小学生の頃に過ごした街のひとつでもあり、数十年を経た今でも中目黒の自宅からの散歩コースとして、また自転車で買い物がてら訪れることが多いところです。キャロットタワーなどのショッピングビルが建てられる中、古くからのアーケードも残っていて、街全体のイメージが昔とそんなに変わらないのは、私が長いことこの場所に来ているせいばかりではないような気がします。

今日も目的のものを調達しに自転車を走らせたのですが、三軒茶屋の駅のあるキャロットタワーの前には人垣ができ、リズミカルな音楽が流れていました。この週末は毎年恒例の「三茶de大道芸」が催されていたのでした。パンフレットは手元にあったのですが、すっかり忘れていたイベント…でも毎年なぜか偶然にも遭遇する確立が高いのです。

プラザの広場では、フランスの「アクロスティッシュ」という4人組。彼らは1994年パリの「シルク・ド・ドマン」というサーカスフェスティバルで銀メダルも受賞している、国際的なフェスティバルのスターだそうです。茶目っ気たっぷりな表情と真剣でアクロバティックな演技に、私も思わず立ち止まって見てしまいました。写真にもありますが、「逆立ちモーツァルト」にはびっくりです。逆立ちしたままで、すばらしいハーモニィを聞かせてくれました。何と言っても、逆立ちしていても顔があるその姿は不思議なものです。

次のパフォーマンスは反対側で行われるので、引き続き見ることに…^_^; イギリス人と日本人のコンビと巨大パペット「Funny Bones+TOKYOゾンビーズ」すでに過去数回の出場をしているコンビで、タネがすぐにわかるマジックは小さな子供たちに大うけでした。見ている人とのタイミングのとり方が抜群で、他愛無いパフォーマンスにもみんな最後まで笑いがとまらない様子です。もちろん私も買い物に来たことも忘れて…笑っていました。ゾンビーズは、写真のように大きなパペットを操りながら、コミカルなやりとりを見せてくれました。背の高いパペットを使うという意外性も、高いビルが見下ろす広場というこの場所にはぴったりのような気がしました。

引き続き、フランスからやってきた「シルク・バロック」のミニサーカス。これだけ続くとしばらく動くことができません(笑) ここでも子供たちが大笑いで、思わずその表情にカメラを向けたくなるくらい目を輝かせているのが微笑ましかったです。この大道芸には毎回登場する、主宰のクリスチャン・タゲ氏の進行がおもしろく観衆の目をひきつけていました。彼は過去に三島由紀夫をテーマにした作品での日本公演など、毎年来日しています。また、サックスの演奏と低いボーカルが効果的で空中ブランコやジャグリングなどアクロバティックなパフォーマンスを見せてくれました。後半は天気が崩れてきましたが予想外の楽しい時間に…久しぶりに目的も忘れて…。

そして街頭にはウォーキングアクトたちもそぞろ歩き、道行く人たちを驚かせています。東京都ではライセンスを発行(ヘブンアーティスト)し、その活動を応援しているパフォーマーも毎年増えているようで、海外からのアーティストたちも含め、ここ数年で時あるごとにあちらこちらで街頭パフォーマンスに遭遇するようになりました。笑いの輪が広がることはこんな時代だからこそ大歓迎ですね。三茶de大道芸には、屋台やアートマーケットなどいろいろな企画が連動していますが、街のイベントは協力的なたくさんの人がいてこそ。夏のカーニバルなども毎年開催され、ボランティアや自ら楽しんで参加する人の空気ができつつあるようです。

今回は10周年記念として特別パフォーマンスも催されていました。キャロットタワーのパブリックシアター(シアタートラム)を会場として、ベルギーの人気クラウンOKidOK2(オキドク)による「HA HA HA」という奇想天外で摩訶不思議なパフォーマンス。このイベントは予定外だったため、時間の都合で見ることができなかったのが残念です。来年こそはスケジュールを確認して来たいものだと思いました。

三茶de大道芸
世田谷パブリックシアター/シアタートラム
ヘブンアーティスト
上野公園の「ヘブンアーティストTOKYO」は10月27日(金)〜29日(日)

三茶de大道芸 〜 世田谷アートタウン

→写真はフォトログに掲載(The photograph is published in the gallery)