Vol.224 六本木に新たなアート空間誕生 〜 国立新美術館 建築ツアー

Vol.224 六本木に新たなアート空間が誕

2007年1月、東京六本木に新たなアートエリアが誕生します。
今日は、そのオープンに先駆け美術館の建物や機能面にスポットをあて、より多くの人に知ってもらうという主旨で建築ツアーが開催されました。

美術館の近くまで行くと、街の一角に大きく波打つガラス面が現れます。思わず「これは何?」という第一印象ですが、さらに夜の館内に入って目にしたのは、一瞬宇宙船の格納庫を想像してしまうような不思議空間でした。延べ床面積 約48000平方メートル、その中に企画展示室・公募展示室をあわせ持ち、10以上の企画が一度に開催できる国内最大級のスペースになるそうです。

エントランスのアトリウムは21m以上あり、外壁にはただ平面のガラスだけではなく日射熱・紫外線を100%遮断する省エネ効果のある横長のガラス板が並び、コントラストをもだしています。昼は明るい日差しがやさしく差し込み、夜は幻想的な照明効果も鑑賞することができるでしょう。屋上庭園には竹が並び、館内の床、また展示室前の壁には障子のようなイメージで木材が使用されているのも印象的です。

今日は、まだオーブン前ということで作品のない広大な展示室や、普段入ることができないと思われるバックヤードまで案内いただきました。作品の搬送用エレベーターで移動し、トラックバースや作品の審査室を見たのは初めてのこと。展示室のあちらこちらには、作品展示のための様々なしかけが施され、作品の搬出入やその管理のためにもきめ細やかな機能が整っています。

建物の設計は黒川紀章氏。前回の東京都庭園美術館に続き、作品が展示される前の美術館を見るというのも、貴重な機会となりました。建築に興味のある人ばかりでなく、このユニークな建物には誰もがインパクトを受けることでしょう。

ここに作品が並び、オーブン後人の流れができることを想像すると、単に作品を展示するスペースとしてだけでなくカフェやミュージアムショップなども併設した大きな文化拠点となるのでしょう。六本木ヒルズからのちょっとしたウォーキングにも最適です。地域と緑を融合させ、多くの人が憩えるスポットとしても新たな東京のアート空間のオープンが楽しみです。

国立新美術館 概観
夜の国立新美術館 正面概観
国立新美術館 コーン上部レストラン
館内 コーン上部レストラン

国立新美術館(東京都港区六本木7-22-2) 
最寄り駅は東京メトロ 六本木もしくは乃木坂駅より数分

→写真はフォトログに掲載(The photograph is published in the gallery)