Vol.209 ポスト・デジグラフィ [Post Digi-Graphy] 〜東京都写真美術

Vol.209 ポスト・デジグラフィ [Post D

東京都写真美術館にて [ポスト・デジグラフィ] が開催されている。
地下の映像展示室入り口を入ると、すぐに森村泰昌の2枚の大きな「Mother(Judith I)」が目に入る。1991年の作品で西洋美術史シリーズのひとつだ。森村氏は、自らが肖像画に扮するセルフポートレイト写真の作品を数々作り続けていて、私にとってはとても気になるアーティストのひとりだ。自らが衣装をつけメイクをし撮影するのだけど、その過程には大胆な発想があり、その独特の「モリムラ・ワールド」が遊び心満載でおもしろい。一人の人間があれほどいろいろな顔になれる事も興味深い。
薬師寺を守るための十二神将のひとつ「伐折羅(バサラ)大将」の彩色再現…CADセンター「まぼろしの色彩を追って」ということで、バサラ大将像を三次元データ化し彩色再現したものだ。五百円切手の図柄にもなっているのでどこかで見たことがあるだろう。モバイルサイトからもアクセス可能だ。
大型のスクリーンに投影されている「Google Map」の横には、1960年代からのコンピュータ関連の紙媒体の資料なども展示されていた。音楽(デジタルと作曲)についてのものや汎用機の時代の書籍類などなど。展示の中には興味深いものがたくさんあり、とても一度では見てまわれない。量的なものではなく、そのくらい五感を使って考えさせられるものが多いということだ。たぶん期間中に再び訪れることになるだろう。

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「ポスト・デジグラフィ」パンフレット〜
東京都写真美術館では、「フィルムとデジタル」や「デジタルコンテンツ」をテーマに「ポスト・デジグラフィ」展を開催いたします。今日、CG(コンピュータグラフィックス)やデジタル表現・技術は映画やテレビによってすっかり身近になりました。本展では、1960年代から国際的な評価を受けていた日本のデジタル表現から、80年代の拡がりを経て現在にいたる「ポスト・デジタル(デジタル以降)」の動向を探ります。また、歴史的資料や書籍、先駆的な展示やブックデザイン、コンパクト化する高精細画像の展示に加え、SIGGRAPHなど国際的フェスティバルの現代作品上映、トークや楽しい体験型ワークショップを行います。「デジタル」「アナログ」の二項対立ではない「デジグラフィ」とは何か、海外からの視点や日本独自の表現・知覚の姿を考える試みです。

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→写真はフォトログに掲載(The photograph is published in the gallery)