Vol.201 できゆくタワーの足もとで 〜 江戸東京たてもの園

Vol.201 できゆくタワーの足もとで 昭

江戸東京たてもの園で昭和30年代のくらしを再現した特別展示が行われている。以前から古い建築物に興味があったのであえて平日の午後に訪れてみた。小金井公園はとても広大なところで、一歩入って歩くと曇り空にもかかわらず緑がとても眩しかった。たてもの園の前の広場はちょうど上野公園の東京国立博物館前のような感じで、噴水などの人工物がないだけ視野が開けている。大きな木と木の距離があり芝生のベンチでは昼寝をしている人も…週末は多くの人が訪れるらしいが、平日の今日は歩く人もほとんどなく時間がゆっくりと流れていた。
特別展は、昭和30年代当時の暮らしの中で使われたものをそれぞれのスペースに再現してある。三輪自動車マツダK360と共にエンジン付自転車などというめずらしいものがあった。オートバイではなく自転車にエンジンというのがあったのだ。今の電動自転車のような感じだろうか? ちょうど「ALWAYS 三丁目の夕日」のワンシーンのように、東京タワーが完成する過程の写真や街並みや生活の再現シーンが展示されていた。
たてもの園の屋外展示は、中央の歴史を伝える建物をはさんで山の手通りと下町の街並みに分かれている。下町ゾーンには昔の商家、居酒屋、銭湯があり、当時の暮らしの中の道具や商品を見ることができる。山の手通りには、いろいろな建築様式の住宅が復元され、めずらしい茅葺き屋根の民家なども再現されている。生きた生活や文化を伝えるために四季を通じていろいろなイベントなども開催されている。8月には「下町夕涼み」として特別夜間開園が行われ、夜の風情が再現されるそうだけどこちらも興味深い。そういえば、かまども滅多にお目にかかれないけれど、火がともるところなどは見たことがないな〜。
・できゆくタワーの足もとで パンフレットより
「昭和30年代という時代は、新しい時代の訪れを予感させる建物や道具が次々に登場した夢と活気にあふれる時代でした。そして、できゆく東京タワーの足もとには、「人のぬくもり」や「物のぬくもり」に支えられた「町」の原風景が息づいていたのです。新しくもあり、古くもある。元気でもあり、寂しげでもある。優しくて、そして、厳しい。今回の特別展では、そんなありのままの昭和30年代のモノ資料を中心に、証明や音響を駆使しながら再現してゆきます。

江戸東京たてもの園
江戸東京たてもの園
江戸東京たてもの園

→写真はフォトログに掲載(The photograph is published in the gallery)