Vol.184 フォトイメージングエキスポ2006 〜 アジア最大の写真と映像

Vol.184 フォトイメージングエキスポ20

今年も東京ビッグサイトで、年に一度のアジア最大の写真と映像のイベント「フォトイメージングエキスポ2006」が始まった。
最新のカメラやプリンタ技術の展示のほか、レセプションホールでのセミナーやイメージについての展示も数々あり、Photoshop CS2など最新のイメージングツールの情報を聞くことができた。講義の中でも、月尾嘉男氏による「イメージングの未来を語る」はとても有意義であった。人類が発展していくと共に、文字や印刷そして写真や映像といったメディアなどが人の五感の一部として進化し変わっていく…。
バーチャルリアリティである「被覆透視」についての話もおもしろかった。時を越えて…マヤのコパン遺跡の中の神殿には、最初の基礎部分を幾重にも覆うように建造された複合建物がある。その内部を普通の状況では、誰もが破壊しないかぎり見ることができないのだけど、透視技術とその再現により仮想の空間としてその様子を垣間見ることができたのだ。また、羊の皮に書かれた文字の下にある古い文字を最新技術でスキャンして処理することにより、以前の情報を取り出すなど透視技術の進化で、ヴァチカン教皇庁図書館に保存された写本の中の歴史を紐解くことができたのである。これらなどにより、改めてデジタルイメージングの進化とともに、自分達の身の回りにも多くの最新技術が活用されていることを知るのだ。
その他にもコンパクトカメラの性能の向上や解像度により、一眼レフで撮ったものでなくても大きな作品にプリント出力できるようになったり、特大のプリンタの出現などデジタルの世界は目まぐるしく進化している。少しばかり目を離すと、自分の情報がすぐに古くなってしまうことも実感した一日であった。

→写真はフォトログに掲載(The photograph is published in the gallery)