Vol.182 MAM PROJECT 004 CHOE U-RAM(チェ・ウラム) 〜 神秘的生命体

MAMプロジェクトは、森美術館が若手アーティストを応援するプロジェクト。4回目の今回は、1970年韓国・ソウル生まれの、CHOE U-RAM(チェ・ウラム)の作品が東京-ベルリン/ベルリン-東京展の中、ギャラリー2に展示されていた。
ゆっくりとヒレのようなものを動かしたウルバニュスという生命体が揺れている、オスに反応するのか2m以上もあるメスがゆっくりと動き出すと、ちょうど大きな花が開くときのように、閉じていた触手のようなものが広がる。まるで生きているような摩訶不思議な動きがおもしろい。金属やアクリル、センサーや機械装置と電子部品(CPUボード、モーターなど)によって作られる生命体は、今後どう進化していくのだろうかとても興味がある。Lumina Virgo(ルミナ・ヴィルゴ)という昆虫のような変わった形のライトが壁に取りつけられていたのがとても気になった。
チェ・ウラム 「ルミナ・ヴィルゴ」 チェ・ウラム「ウルバニュス」
チェ・ウラム「ルミナ・ヴィルゴ」
作品は、CHOE U-RAM(チェ・ウラム)のサイトで見ることができる。

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MAMプロジェクトより
チェ・ウラムは、花や昆虫をモチーフとして、サイバネティックスな素材と想像力を土台に不思議な“生命体”を作り出すアーティスト。生み出される作品は、これまで誰も見たことのないような、私たちの想像を超越する“生物たち”です。
彼は自分が誕生させた機械的生命体へ部分的に自分の名前に因んだ学名をつけ、その生命体の地球上での生息状況分布、成長過程、またどのように餌を摂取し活動するかについても、まるで生物図鑑の1ページのように詳細に記述しています。
本展では、そのチェの神秘的生命体の標本作品、その作品についての説明書、そして造形作品が完成するまでのドローイングで構成し、会場は未知の世界における自然史博物館を彷彿させる仮想上の空間となります。万能な機械至上世代の未来的な美学を代弁するともいえるチェの作品は、観る人にこれまで体験したことのない、神秘に満ちた、新たな芸術的感動を与えることでしょう。

→写真はフォトログに掲載(The photograph is published in the gallery)