Vol.183 東京-ベルリン/ベルリン-東京展 〜 六本木森美術館

「日本におけるドイツ 2005/2006」 に


六本木の森美術館「日本におけるドイツ 2005/2006」の最後を飾る大規模展東京-ベルリン/ベルリン-東京展が開催されている。昨年は国連加盟各国を代表するアーティストによりデザインされた、高さが2mもある127体のユナイテッド バディ ベアーズ(熊のオブジェ)が66プラザに並べられたのをはじめ、「日本におけるドイツ 2005/2006」としていろいろなイベントが開催されてきた。その最後を飾る展覧会ということで、500点あまりの各時代における絵画、彫刻、写真、建築、デザインなどの作品が11のセクションに分けられ紹介されている。
中でもMartin Liebscher(マルティン・リープシャー)「Philharmonie1(フィルハーモニー1)」という作品は、とてもおもしろいものだった。ロビーの階段からホールや客席に、数千回も撮影されたという自分のいろいろなポーズの姿がいくつもちりばめられた自作自演のパノラマ作品で、コラージュだろうけれど現実ではありえない世界を見せている。
Martin Liebscher(マルティン・リープシャー) Philharmonie1(フィルハーモニー1)
マルティン・リープシャー「Philharmonie1(フィルハーモニー1)」
2005年 125cm×740cm ラムダプリント
(クラウディア&クルト・フォン・シュトルフ コレクション)Courtesy: Wohnmaschine, Berlin
タイガー立石「東京バロック」 岡本太郎「重工業」 平井輝七「モード」width=
タイガー立石「東京バロック岡本太郎「重工業」 平井輝七「モード」
全体に説明が少なめで字も小さいかなと思ったけど、岡本太郎の「重工業」やタイガー立石の「東京バロック」、横尾忠則「電話」「腰巻お仙」、草間彌生の「金色の椅子のオブジェ」、「独逸国際移動写真展」の中には、平井輝七の「モード」「生命」など気になる作品も多く、「ベルリン8時間観光ツアー」という数々の映像も見るスペースもあった。また「旅」や「都市に生きるということ」をテーマとしているFranz Ackermann(フランツ・アッカーマン)の「不思議なメッセージ」など、広い空間には反復する音とともに独創的な作品群が広がっていた。

                                                                                                            • -

1. ベルリン?東京 1880-1914 異国趣味と近代の意識
2. 「シュトゥルム木版画展」 東京 1914年 前衛の衝撃
3. 東京?ベルリン 1912-1923 美術と建築の新しいヴィジョン
4. 衝突する文化 1918-1925 ベルリン・ダダ、東京の「マヴォ」とロシア革命の影響
5. モガとモボ 1920年代のベルリンと東京のモダンガール、モダンボー
6. 「独逸国際移動写真展」 1929-1931 写真の新たなアプローチ
7. バウハウスブルーノ・タウト 1930年代の建築とデザイン
8. 暗黒の時代 1931-1945 独裁制、抵抗、戦争
9. 復興の時代 1945-1950年代
10.フルクサスポップアートと新表現主義 1960年代の前衛芸術
11.ベルリンの今 壁崩壊後の現代美術

→写真はフォトログに掲載(The photograph is published in the gallery)