Vol.180 KARAKUSAの森 トード・ボーンチェ、唐草と出会う 〜 ハウスオブシセイドウ

文化の発信地銀座にて

ハウスオブシセイドウで、今注目されているオランダ出身のインダストリアルデザイナー、Tord Boontje(トード・ボーンチェ)資生堂の唐草によるコラボレーション展覧会が開催されている。森というそのスペースには、草木や花の模様が切り抜かれたランプシェードが巻きつけられた「ガーランドライト」や、「ミッドサマーライト」が飾られ、中央には草花をモチーフに細かく切り抜かれた、アンティル・ドーンの特殊な紙のスクリーンが重なりながら並んでいた。それらは互いに不思議な影を作りだし幻想的な世界が表現されていた。
メタルシートや羽の形のGarland(ガーランド)は、照明のまわりにくるくると巻きつけるもの。その中をくぐり抜けた光が新たな陰影を演出することを考えて作られている。私の目を惹いたのは、ギリシャ神話に登場する「イカロス」にちなんで名付けられた「Icarus Light」。これは羽のように加工されたポリエステルシートを鳥の翼のように幾重にも重ねライトに巻きつけるもので、ふんわりとしたそのデザインとそれが作りだす陰影はとてもきれいだった。それから「Thinking of you」というフラワーベースなどのまわりを飾るボトルカバーとなるメタルのオブジェたち。そして、資生堂の文様となっている唐草の文様をあしらったパンフレットの表紙やパッケージなども展示されていた。
都会の中の森という空間の中の穏やかな光の遊び…。
Tord Boontje(トード・ボーンシェ)
Artecnica Inc
ガーランド シェイドライト,ゴールド ガーランド シェイドライト,シルバー ミッドサマーシェイドライト,グリーン/イエロー フェアリーテイル ノートカード,レッド/ピンク アンティルドーンカーテン
→写真はフォトログに掲載(The photograph is published in the gallery)