Vol.179 矢沢永吉 vs リリー・フランキー 〜 資生堂ワードフライデイ

資生堂ワードフライデイの最終回は、矢沢永吉イラストレーターのリリー・フランキーをナビゲイターに「ん、スーパー女性感謝論?」というテーマで行われた。「ワードフライデイ」とは、各界のいろいろな舞台で活躍する表現者の方を招き、その中の言葉により「知・生・感」の感動を生み出すカルチャープログラムで毎週金曜日に銀座の資生堂で開催されている。個性的なナビゲイターや毎回のテーマなど、とても興味深いものがあり対話もサロンのようなちょうどよいスペースで人数限定で行われるため、居心地がよい。(前回は昨年「ほっといてくれ? 2人の趣味のない人生」というテーマで森山大道vs佐内正史の対話を聞いた)
それにしても、今回はライブのステージでもなく銀座の真ん中…それぞれの顔が見えるスペースで、女性だけ数十名を前にして行われるトークライブなど、お二人にとっても初の試みではないだろうか? しかも「スーパー女性感謝論?」と雛祭りの今日、女性の前で面と向かって話すには何とも微妙なテーマだ^^; 私はアーティストとしての活動よりも、彼自身の生き方にとても興味があった。特に矢沢永吉のファンでなくても、その歌や生き方に何かしらのインパクトを受ける人は多いだろう。今日ここに来ることになったのも何かのきっかけなんだろうと思う。こんな滅多にない機会に、知人の男性から「女装するから入れてくれ!」と言われたとリリー・フランキーが笑っていた。
その昔…あの武道館ライブに誘われて1度だけ行ったことがある。(誰と行ったのかは全く記憶にないのだけど…) その時は、まさしくロッカーの矢沢永吉を見に行ったのだけど、今回はひとりの人間として、その場で言葉の輪ができたことは、私が年を重ねたこともあるせいかなんだか心地よかった。若い頃、TVに出なかったことや、仕事のトラブル…社長業に徹したこと、「ハッピー」に繋がる女性について、著書にも書いてあるけれど時々照れながらも素顔で語ってくれた。いろいろな話もこうして本人が目の前にいるということが大切で矢沢永吉のことを文章にすると、よくオーラとかパワーというキーワードが使われるけど、そんな言葉では括れない、とても言葉では伝えきれない場であったことは確かだ。
この場所の「知・生・感のバランスのとれた豊かな時間を展開」というテーマ同様、「今の自分は、いろいろな意味でバランスがとれているのでハッピーなんだろう」という矢沢永吉の言葉が印象的だった。
今の自分を理解してよい年を重ねていることは美しい! そしてまだまだ進化し続ける…。
この対談の様子は「月刊ワード」「ワード文化大事典」に掲載予定。
成りあがり How to be BIG―矢沢永吉激論集 アー・ユー・ハッピー? 東京タワー オカンとボクと、時々、オトン
「成りあがり How to be BIG―矢沢永吉激論集」
「アー・ユー・ハッピー?」
「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」リリー・フランキー著書

矢沢永吉公式サイト
lilyfranky.com/ロックン・ロール・ニュース〜リリー・フランキー公式サイト
→写真はフォトログに掲載(The photograph is published in the gallery)