Vol.171 写真の作法〜僕たちはいつも植田正治が必要なんだ!

Vol.171 写真の作法〜僕たちはいつも植

東京都写真美術館で開催されている「植田正治:写真の作法」という国内初の大回顧展を見に行く。彼の200点あまりの作品と、撮影に使用されたオブジェや資料なども展示され、その活動の70年を振り返るという試みだ。世界からも注目され、日本を代表する写真家の一人でありながら、報道や芸術というものには流されず、ひっそりと写真を楽しみ生涯アマチュア精神を貫いた人である。初めてカメラに出会った頃の楽しさをそのままに「写真で遊ぶ」感覚をずっと忘れなかったと言う。会場の壁の大きな文字が印象的だった。
…「写真することがとても楽しい」…
そんな中に植田調(UEDAS-CHO)の代表的な作品群の数々が展示されていた。
写真を撮る人なら、ちょっと一度は真似てみたいと思う「植田調」それに憧れる人も多い。地元である山陰の風土を大切にし、人びとの現実を見つめる視線の中で切り撮られた数々の作品。特に「砂丘シリーズ」は、広大な鳥取砂丘に人と物たちをオブジェのように配した風景で、そのモダンで「遊び心」たっぷりの作品は高い評価をうけている。「パパとママとコドモたち」は、多くの人がどこかで目にする機会もあるだろう。今回見た写真の中でも「絶対非演出の絶対スナップ」の土門拳や島津良介が砂丘で撮影されていたのはどこか微笑ましかった。
…「これも写真なのかということを実践してみました」…

植田正治写真集:吹き抜ける風 植田正治 私の写真作法
植田正治写真集:吹き抜ける風 植田正治 私の写真作法

植田正治写真美術館(鳥取)

→写真はフォトログに掲載(The photograph is published in the gallery)