Vol.170 Teach Your Children 1967-1975 〜 横木安良夫 写真展

Vol.170 Teach Your Children 1967-197

目黒にブリッツ・インターナショナルが運営している<常時オリジナル・プリントを展示販売しているアート・フォト・サイト ギャラリーがある。家からも自転車で行ける距離で興味があり、何度か足を運んだことがあるところだ。
今日は、横木安良夫氏の「Teach Your Children 1967-1975」という展覧会があり仕事帰りに立ち寄った。オープニングパーティもあり、ちょうどGR DIGITALオンライン写真展で写真を公開しているフォトブロガーのhanaさんにもお会いできた。
ギャラリーには、横木氏が学生時代に撮ったいろいろなサイズのモノクロ作品が壁一面に並ぶ。18歳から26歳まで、プロデビュー前の横木氏がその時の感性で見て、切り取ったひとコマひとコマがそこに散りばめられていた。

写真に撮られている60年代〜70年代の何気ない風景…。
自分の幼い頃見たひとコマとついつい記憶がリンクして、何故か懐かしい感じがする。写真を見るというのと同時に、その中の事象について様々な思いが広がる。見えている記憶だけでなく、何かその背景の音とかまわりの匂いまで…。

写真の着物の少女と同じような格好で七五三の写真を撮ったなぁとか…。「子供の頃って、土や砂利の道路があちこちにまだあったよね」と話していた友人や、原宿の風景といえば…オリンパスのハーフサイズカメラで竹の子族の写真を撮ったことを思い出す。

横木氏のその時代の写真がデジタルで再現されていることは、とても興味深かった。デジタルでの画像はアナログとは別物と考えてきたけど、こうしてプリントされたものを見るとその技術やインクなど随分と進化しているものだ。銀塩カメラから撤退する企業もあるけど、アナログとデジタルの境で葛藤している多くの人がまわりにいるだけに、このように写真家自らの感性でデジタル化している現場があることはとても身近に感じられる。(それだけにワークショップには是非参加したいと思った)

私が高校生の頃のある日、実家で写真整理をしたときのこと…。
アルバムの中に父の若い頃の姿や周りの風景の写真を発見したことがある。その写真は少し色褪せはじめていた。父が十代の頃のものなのでネガはもうないという。私は、何かこれを残さないといけないと思って、その時使っていたCanonAE-1というカメラで撮り始めた。机の上に載せると電灯の光でテカるので、何かに立てかけて左右のちょっと離れたところから近くにあった2つのライトをあてるなど工夫をしたものだ。電球の光だったので、セピア色のように撮れたのを思い出す。色褪せた写真と同じような色に撮りたかったのだ。(そのときスキャナなどという概念はなかった頃…)そこからピックアップして4枚を繋いで、組み写真のようにして撮ったりした。

それらもアナログ写真だ…写真は紙に焼いたものを見るのが一番好きだけど、少しずつデジタルデータにしておくといいかもしれないと思った。今度ネガでも探してみよう。でもそれを考えるとアナログ写真の整理というのは一言ではいえないほど大変な作業だということに気づいた日でもあった。何が必要で何を残すか…よく考える必要があるかもしれない…。

横木氏とhanaさん M7.3―子どもたちの見たもの ロバート・キャパ最期の日 デジで本 デジカメ×写真×製本 自作写真集のつくりかた
横木氏とhanaさん & 横木氏著書。
変えたばかりの携帯のカメラでの初ショットはお二人でした!
記録するくらいなら、携帯のカメラ機能も随分と使えるようになったのだなぁ。

東京都写真美術館では「植田正治:写真の作法」「写真展・岡本太郎の視線 」「ベトナム統一30周年記念写真展 VIET NAM -戦争と民衆-」が開催されている。


→写真はフォトログに掲載(The photograph is published in the gallery)