Vol.132 写真はものの見方をどのように変えてきたか 〜 モダンエイジ

Vol.132 写真はものの見方をどのように

恵比寿の東京都写真美術館では、写真の発明から現在までの歴史が「10周年記念特別コレクション展」という形の4部構成で開催されている。前回に続き、第2部は「創造」というテーマで、ピクトリアリズム(絵画主義)からシュルレアリズム時代の前衛的な写真も多かった。
写真展というと現代作家のアート的なものから報道写真、そして100年前くらいの絵画との影響が顕著に表現されている作品を見るのが好きだ。今回はめずらしい1900年代初頭の日本人の作品も展示されていた。
ヨーロッパの作品としては、絵画を意識した合成印画のヘンリー・ピーチ・ロビンソン、それとは相反して、作為的な写真を拒否し自然主義を唱えたピーター・ヘンリー・エマーソン、そして、キャパなどとともに活躍し「この世界には決定的瞬間を持たないものは何ひとつとしてない」という言葉を残したアンリ・カルティエ・プレッソンの作品まで…絵画を意識して、できるだけそれに近づけるために合成や彩色を施した作品や印画の手法(ゼラチン・シルバープリント、ゴム印画、オイル印画)により、さまざまな質感での表現なども並べられていたので時間をかけて見ることができた。大戦後の「バウハウス」の開校をきっかけに、写真はものごとを伝える手段としてデザインの分野にも影響を与えていく…その過程の作品も見ることができたのは有意義であった。


東京都写真美術館 パンフレットより
ライト兄弟が始めて飛行機で空を飛んだころ、人びとはどこにカメラのレンズをむけたのだろうか。

新たな視覚のはじまり : 第1部 [ 誕生 ] 4月2日(土)〜5月22日(日)
モダンエイジの開幕 : 第2部 [ 創造 ] 5月28日(土)〜7月18日(月/祝)
12人の写真家たちと戦争 : 第3部 [ 再生 ] 7月23日(土)〜9月11日(日)
現代、そして未来へ : 第4部 [ 混沌 ] 9月17日(土)〜11月6日(日)

→写真はフォトログに掲載