Vol.107 摩訶不思議なボディ・イリュージョン〜MOMIX「パッション」

MOMIX「パッション」

東京国際フォーラムのホールで「MOMIX パッション&オーパス・カクタス」という体で自然美を表現するダンスパフォーマンスの公演が開催されている。友人からの招待で音楽関連の仲間たちと一緒にさっそく観にいった。今日のプログラムは「PASSION パッション」。映画「最後の誘惑」〜 演出・映像 モーゼス・ペンデルトン。そして音楽は、ピーター・ガブリエル
ステージでは、前のスクリーンに様々な映像が浮かびあがり、そのスクリーンの後ろでダンサーたちがしなやかな体でパフォーマンスを繰り広げる。人間の表現力というか、その技には目を見張るものがある。映像による視覚効果と人の体とも思えない表現をミックスさせたユーモアたっぷりのステージだった。
また、この公演を観ることにより、個性的な人たちとの出会いがたくさんあった。
今年も人の繋がりから不思議な輪が広がっていくような気がする。

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MOMIX公式サイトより
・タイトル
彼がその振り付けを通して語る「passion」には様々な意味がある。興奮する時の抑えきれないエネルギーや狂おしいほどの性的な気分はもちろんだが、この言葉を「The passion」とすると、あのイエスキリストの苦行と死を意味するのである。
・音楽
ピーター・ガブリエルが手掛けたマーティン・スコセッシ監督の1988年の映画「The Last Temptation of Christ」のサウンドトラックにあわせ進行する。本作品の一時間半にも及ぶ音楽は、マントラのような賛美歌”The Feeling Begins"のオープニングコーラス?祝いのフィナーレ”Bread and Wine"までの21曲?ロック、クラシック、バロック、東洋音楽等様々なジャンルやスタイルを通過し繰り広げられていく。
・映像
殉死のテーマが見えかくれするなか、ダンサーとステージの手前には透明なスクリーンが設置され、そこには太古の像、菩薩・ルネッサンスの絵、氷河や拡大されたなど様々なイメージが、全て動きを包み込むかのように流れる。
・ストーリー
複複雑なシンボルの破片が行き交う間にも、人類の発展、そしてその文明の腐敗を語るはっきりとした一つの物語が展開されていく。しかし最終的には、これらの矛盾する破片的な要素が一つの物へと融合するだろうことをスライドが予言し、全ダンサー達はしなる棒を使いながら様々な幾何学的なパターンを作っていく。ラストはスクリーンに写されている時計のダイヤルの様な丸い形を描き、全ての生命の融合を暗示する。彼等は純粋にその鋭い動きとステージのマジックを利用し宇宙の神秘を称える。彼らのパフォーマンスは歓びに満ち溢れ、ステージは幕を閉じる。