Vol.103 聖夜に「天空の歌声」を聴く〜ブルガリアン・ヴォイス

Vol.103 聖夜に「天空の歌声」を聴く〜

六本木ヒルズけやき坂通りには、オレンジの東京タワーを背に約400mものケヤキ並木に青白く輝くイルミネーションが続く。イブの夜、ヒルズのアリーナのまわりにはキャンドルの光も並び多くの人が集まった。今日のArtelligent Christmas 2004「Holy night Concert」のアーティストは、ブルガリアン・ヴォイス。西洋音楽の「不協和音」を多用するこの種の音楽は日本民謡にも共通する要素が多いと言う。夜空の下に女性たちの神秘的な歌声が心地良く響きわたった。
クリスマスイブということもあり、ヒルズでの食事やショッピングの途中で立ち寄った人も多いのだろう。私の見ているまわりには、次々といろいろな声がおかれていくのだ。「楽器がないけどまだリハーサルなの?」「あれって、どこの国の人?」「服装からして、ペルーかな?インド?」なんだか、既成概念に固まった若い人の声にびっくりした。自分の目の前で見たままのものを、ストレートに素直に受けとめる感性を育ててほしいものだとつくづく思ったりして…。
聖夜にすばらしい歌声をThanks!
夜はささやかなホームパーティーで過ごす。

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■Holy night Concertパンフレットより
六本木ヒルズアリーナに世界最高峰の歌声が響き渡ります。肉声だけで奏でられる祈りのメッセージと、荘厳な演出空間が、ご来場者の方にオンリーワンのクリスマスをプレゼントいたします。」ブルガリアに数ある合唱団の中で「ブルガリアン・ヴォイス」と名乗れるグループはごくわずかしかありません。これはブルガリアの作曲家、フィリップ・クーテフが、ブルガリア全国から声が良く歌の上手な女性たちを集め、その新しいスタイルの合唱を演奏する合唱団を育て上げて1951年に結成された"フィリッブ・クーテフ・ブリガリア国立合唱団"が枝分かれして派生した合唱団のみ名乗れる名称です。
ブルガリア土着の合唱に限りない価値を見出し、収集した民謡の味わいを活かしつつ、新しい合唱作品へと再開発する偉業に成功したクーテフの高い音楽性を継承する合唱団は、今でも世界各国で高い評価を得ています。