Vol.102 ヴィジュアルミュージック展〜世田谷ものづくり学校

ヴィジュアルミュージックのオルタナテ

少し前に、家からそんなに遠くもない中学校が、学校跡地再生プロジェクトとして@IID-IKEJIRI INSTITUTE OF DESIGN(世田谷ものづくり学校)という、デザインやものづくりを核とした新しいコミュニティに生まれ変わった。再生ということで、建物は学校そのもので教室がデザインルームなどになっている。そこにある椅子や机などもうまく利用され、シンプルな空間が作られていた。建物の奥には、「ゆっくりとカフェ」もある。
IID Galleryでは、最近話題の新人写真家・在本彌生の写真展(プロデュースは、後藤繁雄エスクァイア マガジン ジャパン)が開催されていた。その作品は「エスクァイア日本版」1月号の表紙と巻頭に掲載されている。紙面に収録できなかった写真も今回多数展示されていた。
そして、プレゼンテーションルームでは「ヴィジュアルミュージックのオルタナティブな潮流 BAMBIENT & SEISEN 展」という展覧会が開催されている。映像や写真コラージュには、最近特に興味があるので、みのがせないイベントだ。ヴィジュアルアート集団「HOLOTT」の日本初公開となる斬新なアニメやその他、フラッシュアニメーション、ショートストーリーなどいくつもの作品が上映されていた。目立たないところにある場所だけど、今回の内容はとても個性的な作品が多く充実していると思う。
空間映像インスタレーションを行うビジュアルアート集団SAKKAKUの投影は特に興味深かった。複数の円形スクリーンに投影されるインスタレーションはあまり見たことがないパターンだった。今までにもいろいろなアーティストとコラボレーションを行い様々な活動をしているそうだ。そのほか、数千枚のフォトコラージュなどトランス・ムービーのような映像もあり、様々なジャンルのものを時間をかけて見ることができてよかった。それぞれの主張が短時間に凝縮された映像は、Webやネットの世界が拡大しつつある現在では新たな表現方法として試行錯誤がされているのだなと感じる。