Vol.78 アラーキーと共にアラキネマ「冬春」を見る

アラーキーと共にアラキネマ「冬春」を

ABCが2ヵ月半ぶりに復活しましたね。
青山ではオープニングイベントで荒木経惟による写真集の説明とスライドでの映像+音楽の「アラキネマ」今回は最新版の「冬春」が上映された。
本日午後の打ち合わせは青山学院のすぐ裏という、またまたタイミングがよいところで…夕方仕事が終わってから、さっそく通りを渡ったところにあるウイメンズホールに。
アラーキーがデビューから今日までの集大成写真集「ARAKI by ARAKI」をスライドで見ながら話をしてくれた。いつもながらの独特のトークで会場はすぐになごやかな雰囲気になる。東京の色街で生まれ、遊び場が吉原界隈…父親の影響もあり、面白い観点からたくさんの人の顔と世相を映し出している。電通時代には「ちゃんと冷蔵庫の写真なんかも撮っていたんだからね」と言ったあとに、おねえさんの写真で「この娘は今どうしてるかな?」、海で出会った女の子に電話番号を聞いちゃった話などぶっちゃけコメント満載…写真の説明というよりも一緒に見ながら当時を回想しているような感じだ^^;
いろいろな日付で撮った写真を日付順に並べた日記も出版されているが、現在もまだ記録は続いているという。未来の日記ももちろんあるのだ。それから、なかなかできるものではないが、両親の死からもその死顔の写真の撮り方でトリミングなども学ぺたと話す。現像液を沸騰させてから使ってみた話とか、レンズを砕いて写してみるなど、普通では想像できないエピソードなども盛りだくさんだった。こうして見ていると、写真そのものがその人なんだとつくづく感じる。
後半は2台のプロジェクターを使ったスライドショー、流れるように映し出される映像+音楽の「アラキネマ」、今回は最新版の「冬春」が上映され、すぐ前に座ったアラーキーと一緒に鑑賞できたことは印象に残るだろう。それを見ている彼の表情にカメラを向けたい気分にもなった(金色に光っている彼の靴も何故か気になる^^;)。
今回の目的はこの映像を見ること…。

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荒木経惟
「今年は、乳がんで片乳房を失った歌人宮田美乃里との出会いからはじまった。春になっても、ずーっと冬だった。満開の桜の中の歌人に死を想ったからである。そんな冬春の日々のモノクロームなプリントを100点展示したい」
・宮田美乃里
「野に咲く花が自然に芽吹き、朽ちて散っていくように、ありのままを受け止めて生きていきたいと思うのです…普通の均整の取れた裸体ならば飽きるほどご覧になっておられることでしょう。けれども、私は、ちょうど枯れかけた花のように、片方の乳房がありません…そこには、私の人生があります」

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10月は乳ガン月間 Pink Ribbon Festival 2004
東京タワーや神戸ポートタワー明石海峡大橋でのライトアップ、街をピンクリボンのデコレーションで彩るなど全国にピンクリボンのメッセージを発信!