Vol.51 夢幻的な映像に酔う (ざくろの色 パラジャーノフ)

UPLINK FACTORY

渋谷の UPLINK FACTORYパラジャーノフの「ざくろの色」を観にいった。午後一番と夕方にクライアントとの打ち合わせが入っていたけど、その合間の数時間(打ち合わせが青山と渋谷だったのもラッキー!) 今日は、期間限定上映の最終日…これだけは絶対に行くと決めていた^^;
この場所は、ジャンルにかかわらず色々なイベントを発信しているマイクロ・カフェシアターで、私にとってはとても興味深い。フリージャーナリストのドキュメンタリー「TAIZO」も先週まで上映されていたけど、とうとう行く時間がとれなかった。それでも、この「ざくろの色」だけは、日常の空間(自分の家とか^^;)ではないところで観たい作品のひとつだったのだ。こんな機会はプライベートで上映会でも行わない限り滅多にないだろう。(もちろんDVDも入手できるんだけどね…)

この作品は、ゴダールもこれに影響を受けて『パッション』を撮ったとも言われている映像詩である。(18世紀のアルメニアグルジアアゼルバイジャンを舞台に、宮廷詩人、サヤト・ノヴァの半生を描いた作品)
今回、DVD化される記念として期間限定で数日間だけ上映されたのだ。映像詩とも言われるように、その内容はとても言葉では説明できるものではない。すべてのシーンが捉え方によっては、絵画や写真のワンショットを観ているようでもあり、全体が民族的な音と色彩で表現されている。

それぞれのシーンの背景、鮮やかな衣装や装飾はもちろん、人物も含め映っているもの、撮影の速度、その流れすべてが美しい。ひとつとして妥協がない。映像に魅入っていると、全体の流れを見失いそうになるが、それでも凝視していたいシーンの連続で久しぶりに五感のすべてで映像を浴びた。

異国の絨毯とノスタルジックな心象…ひとときの白日夢。
アルメニアにあるパラジャーノフ博物館には、絵やコラージュが多数残されている。それらを見る機会があればよいのだけどと幻想は膨らんでいく。

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