Vol.175 世界の先端を行くアーティストの合同公演 〜 新宿 Pit Inn

Vol.175 世界の先端を行くアーティスト

Real & Trueが主催するLive Seriesの2周年を記念して、新宿のPit Innにて世界の先端を行く3アーティストの合同公演が行われた。(出演:AtomicAlamaailman Vasarat日比谷カタン) Atomicは、5人編成のパワフルなフリー・ジャズグループ。昨年の来日の際も、その心地よい音とリズムで多くの人を魅了した。Alamaailman Vasarat(アラマーイルマン・ヴァサラット)は、フィンランドのグループである。今回初来日で、その名前は「地下世界のハンマー」という意味だというが、一緒に食事をする機会もあったのに、とうとうその由来を聞きそびれた。
それにしても今日のライブは感動的だった。こんなに質の高い音楽を聴ける機会があったことに改めて感謝したい。その場の音や雰囲気を個々の感性で感じるものだけに、ライブについて多くを語ることは難しい。聴いているうちに、現実から放り出されるような非現実を体感させられる瞬間は、その場にいた人にしか体験できない。特にアラマーイルマン・ヴァサラットの演奏は、今日が初めてということもあるけど、日本では聞いたことのない不思議な音色とパフォーマンスに惹き込まれてしまった。私の記憶にはインプットされていない音の展開に異国の妖しささえ漂っていた。彼らの音楽はひとくくりにジャンルを語れない。2台のチェロを含め、いろいろな要素が入り交じった独特の音がライブハウス中の人を魅了した。
昨年のノルウェー・ジャズウィークにも来日したAtmic。ちょうど、新作『Happy New Ears!』がリリースされ、その中から何曲かを披露し軽快なリズムで観客を巻き込んでいった。今回も、それぞれの自由でパワフルな音を連繋させ見事な音遊びが展開されていった。日比谷カタン氏は、ゴジラサウンドの産みの親でもある伊福部昭氏が先日逝去されたことを偲び「ゴジラ」の音を再現した。フランス語を交えるなど彼なりの演出と超絶なギターは今日も冴え渡っていた。それにしても、すばらしい三つのアーティストの公演を一夜にして堪能できた、とても濃い夜となった。

アラマーイルマン・ヴァサラット
Atomic 日比谷カタン

Real & True
Real & True Live Series 2周年記念スペシャル・ライヴ 詳細
当日の写真は主催者のサイトに掲載
→写真はフォトログに掲載(The photograph is published in the gallery)