Vol.126 プライベートストーリー 〜 沢田教一写真展

Vol.126 プライベートストーリー 〜 沢

横浜の高島屋ギャラリーに沢田氏の写真を見に行った。
今年はベトナム戦争終結30年にあたる。彼がカンボジアの道で狙撃され命を落としたのは34歳という若さであった。
今回は、ビューリッツァ賞を受賞した「安全への逃避」とともに、故郷の風景や、当時の米軍の日常の写真も展示されていた。毎日会場にも来ていた妻のサタさんとの写真や手紙は、今まであまり見ることができなかったもので、取材の合間に訪れた地の記録や、長くはなかったが現地での夫婦の生活を垣間見ることができる。彼の人生の記録という形で見ることができたのはよかった。狙撃された時は本当にすべてを失い、残ったのはたった1台のカメラ。サタさんが使っていたローライフレックスであった。
そして「誰のための戦争なのか」という言葉…。
「安全への逃避」に写された家族との再会の記録もあったが、彼らが健在であり、沢田氏の写真を手にしているという意味は言葉では語りつくせない。最近はアーティスティックな写真を見る機会が多かっただけに、歴史的に価値のあるものには重みがあった。

来月は、ロバート・キャパ写真展 「CAPA in COLOR Selection」がはじまる。


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→写真はフォトログに掲載