Vol.109 文化人たちが愛した店〜街の喧騒の片隅で

Vol.109 文化人たちが愛した店〜街の喧

仕事の打ち合わせの後、友人と立ち寄ったのが路地裏の古くて懐かしい感じのレトロな喫茶店。表通りのビル街の喧騒なんて、まるで感じさせない独特の雰囲気の路地裏なんだけど、このお店は特に個性的だ。見る人によっては妖しい雰囲気さえする。建物の素材によるその場に馴染んだ古さと店内の落書き?からは、長い歴史と文化さえ感じるのだ。
そのお店の名前は"さぼうる"。スペイン語の「味」という意味だそうだ。天井の低い半地下の天井や、お客さんによるのだろうけど白い文字がたくさん書かれたレンガと思われる壁は、使い込んだ独特のあめ色をしていた。ほとんどの照明はランプで、そのやわらかい光がたくさん人がいても気にさせない雰囲気を作り出している。薄暗い半地下のスペースは天井も低く、まるで穴倉の中にいるような感覚を覚える、老齢の2人連れや学生らしき人たちの中、スーツ姿でPCを操る人もいれば、本を読んでいる人もいる。何気なく人々の物語を感じられるお店もそう東京には残っていないのではないだろうか。多くの人に愛されて50年…。

→写真はフォトログに掲載