Vol.65 オレンジの世界 (オレンヂ羊の夏休み)

青山スパイラル

今日は、青山にあるクライアントの事務所で朝から打ち合わせ。その後、帰り道にある「スパイラル」に立ち寄った。

コンセプトは「生活とアートの融合」。1980年代の日本のポスト・モダン建築を代表する建築物のひとつとしても有名であるが、いろいろなアートイベントの発信源でもある。

今日のアートは、「羊飼いプロジェクト」の記録によるアートワークと、オレンジの粉末ジュースをテーマに音と光と香りが使われたインスタレーションだった。

アトリウムには100頭の羊が放牧され、思い思いの場所に配置されている。また、それらをゲリラ的に各地に配置したときの記録を写真と映像で紹介している。スパイラルのカフェの横からは、スパイラルガーデンという二階に続く湾曲した回廊があるアートスペースが続き、吹き抜けの天井からは自然の光が降り注いでいる。そんな中、羊たちの横を通り上階にいけるとても不思議な空間なのだ。建築としての外観だけでなく中の構造自体がアートである。

二階には「デザインの追求」がコンセプトのスパイラルマーケットがあり、独自の視点でセレクトしたステーショナリーやクリエーターとのコラボレート作品が並んでいる。いつ来ても見ているだけで時間が過ぎてしまう場所のひとつだ。

そんなマーケットから、外の青山通りを見通せるエスプラナードに出ると「カラカラ」という、ジュースの中の氷をかきまわすような音が涼やかに聞こえてきた。冷えて細かい水滴がたくさんついているグラスを思わず想像させ、仕事の合間のひとときに立ち寄ってよかったとつくづく思った。そこには椅子が置かれ、ちょっとした時間くつろげる空間になっているのだ。ひと休みしている人、本を読む人、通りを走る車に目をやる人、それぞれの時間…。

そして気がつくと、オレンジジュースの香りがどこからか自然に流れてきた。これもまた不思議である。音と香りが流れていることで、それがインスタレーションだということにここで気づいた。なんという企画だろう、今まで目や耳そして手で触るという展示は、多くあったけど香りというものを展示してしまうなんて初めてだ。まさしく五感で体感する空間ができあがっていた。

それでも、外にでるとそこはもう現実の世界^^; ほんの1時間ちょっとの非日常だった。
今度は夜のオレンヂ世界を見に来ようっと!

→写真はフォトログに掲載